お世話様です。
4月から中山間地の営業所の配属になった齋藤です。

新聞やニュースでは花見や春の嵐といったワードが取り上げられ、いよいよ春本番という感じになってきました。しかし、我が家を含めて、多くの米農家にとって春の訪れを実感するのは、「すじまき」を行った時だと考えています。
「すじまき」とは何ぞやと多くの方が思うかもしれません。私自身、小さいころに初めてこの言葉を聞いた時には、なぜか「筋子」を想像しました。

ずばり、「すじまき」を一言で言うならば、「お米の種まき」です。
今回は、その「すじまき」について書いていきたいと思います。

1. 塩水選、消毒、浸種、催芽
お米の種のことを「すじ」と言うのですが、すじを蒔けば勝手に稲になると思ったら大間違い。すじは塩水選(えんすいせん)、消毒、浸種(しんしゅ)、催芽(さいが)という行程を経る必要があります。
これらの行程をそれぞれ一言で表すと、

➀塩水選 = 中身の詰まった良いすじを選ぶこと
➁消毒 = お米が病気になるのを防ぐこと
➂浸種 = 水に浸けて発芽に必要な水分を吸収させること
➃催芽 = 苗の成長を均等にするために、一斉に発芽させること

となります。
最近だと、消毒から催芽まで行える機械があるのですが、機械の使い方や水温の調整を間違えると発芽しなかったり、逆に芽が伸びすぎるなどのトラブルが起きてしまいます。ですので、農家さんにとってはかなり神経を使う場面でもあります。


浸種を行っている様子(父です。)

2. すじまき
次に、催芽まで行ったすじを育苗箱に蒔いていく作業を行います。これが「すじまき」です。
すじまきはまず、育苗箱に肥料入りの土を敷き詰め、そこに水をまきます。次にすじを濡れた土の上に蒔き、最後に覆土と呼ばれる土を被せて完了となります。この過程には多くの人手が必要になるため、すじまきの時には親戚が勢揃いして、作業に取り掛かります。


一致団結。

3. 育苗箱をビニールハウスへ
「すじまきの内容書き終えたやん」とどこからか聞こえてきそうですが、「帰るまでが遠足」と言われるように、すじまきは「育苗箱をビニールハウスに並べるまでがすじまき」と言うのが正しいです。すじまきが完了した育苗箱をビニールハウスの中に並べて、田植えができるようになるまでに苗を成長させます。ちなみに、ビニールハウスの中の温度は天気がいい日は特に高くなるので、春でも汗だくになりながら作業をしています。水を含んで重くなった育苗箱は結構重いので、正直かなりの重労働です。親戚の方々に感謝。


せっせせっせと並べます。


この日だけで1100枚の育苗箱を並べました。

この後、育苗箱に定期的に水をやったり、ビニールハウス内の温度を調整したりして、苗を育てていきます。


ぐんぐんと成長しました。

以上が、すじまきの行程です。この後、田んぼの整地や水張を行って、いよいよ田植えに突入していきます。
すじまきは重い育苗箱を持ったり、暑いビニールハウスでの作業など、大変なことが多いです。しかし、すじまきを親戚の方々と協力して行うことで、より一層絆が深まっているように思えます。
農業って、人と人とを繋げる力があると思うんですよねぇ。


家の裏庭にて。(撮影者:父)